賃貸でできる防音対策ってどんなの?
マンションなどの集合住宅で子育てをしていると、たびたび話題になるのが近隣住民への生活騒音。
マンションなどの集合住宅においてはお部屋同士が密接しているため、通常の生活音も響いてしまう可能性があります。
騒音被害に遭っている方からすると、心身ともに疲弊してしまい、日常生活がままならなくなることもあります。
近年、騒音トラブルはマンション・アパートでは増加傾向にあり、株式会社AlbaLinkが調査した「賃貸物件を借りて後悔する瞬間についての意識調査」では騒音トラブルが1位になっています。
1. 賃貸マンションの防音性能ってどれくらい?
1-1.賃貸の防音性能
皆さんは、賃貸マンションを選ぶ際、建物の構造を考えて選んだことはありますか?
間取りや、駅までの距離などを気にされる方は多いと思いますが、建物の防音性を考えて選んでいる方はどの程度いるのでしょうか。
実は、建物の防音性能はL値という等級で示すことができます。 建物の構造がそれぞれどのような等級に当てはまるかを整理した下記図を御覧ください。
鉄筋コンクリート造のマンションであれば、音が響かないと考えている方も多いのではないでしょうか。
鉄筋コンクリート造でも子供の泣き声や、足音などが聞こえることが、上記図を見るとわかります。
1-2.賃貸マンション・アパートでの音の伝わり方
経験された方も多いのではないかと思いますが、賃貸マンションやアパートのような集合住宅では、上下階や隣の住戸に音が響いてしまうことがあります。
では、なぜ音が響いてしまうのか、その理由を詳しく解説いたします。“音は、空気だけでなく壁や床からも伝わってしまう”音には空気伝播音と、固体伝播音があります。
・空気伝播音
「空気伝播音」は空気によって伝わる音です。
主に話し声やテレビの音、最近ではオンラインでの会議の音などが空気伝播音です。
賃貸マンションなどでは床下や天井裏の空間にある空気や窓の隙間から近隣の住戸へと音が響いてしまいます。
・固体伝播音
「固体伝播音」は床や壁を振動させることで伝わる音です。
足音や子供がドタドタと走り回る音、椅子やソファなどからジャンプした時に発生する音です。
個体は気体や液体と比べると密度が高く、音を伝えやすい性質を持っています。
床や壁を厚くしても音が伝わってしまいますので工夫が必要です。
1-3.鉄筋コンクリート造の賃貸住宅でも騒音に
次に、賃貸住宅の“構造”にも注目してみましょう。
木造賃貸アパートよりも鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションやアパートのほうが防音性に優れており、音が気にならないと思っている方が多いのではないでしょうか。
たしかに、鉄筋コンクリート造(RC造)では壁が厚いケースが多い分、空気伝播音は伝わりにくくなります。
しかし、足音や家具を移動する音などの固体伝播音は鉄筋コンクリート造(RC造)でも完全に防ぐことはできないので、伝わってしまいます。
古い木造アパートなどと比べると、近年の賃貸住宅の防音性能は格段に向上しています。
とはいえ、賃貸住宅の建築費と家賃のバランスを考えると、家賃に反映しやすい設備などのグレードを上げることが重視され、防音性能の優先度は下がるケースが多いと言われています。
また、注意したいのが、鉄筋コンクリート造(RC造)の建物だからといって、すべての壁がコンクリートでできているとは限らないという点です。
骨組みに石膏ボードを張って、間にグラスウールなどを入れてつくられている場合もあり、期待していたような防音性能が得られないこともあります。
2.子供が出す音で気兼ねしない為の賃貸マンション選び方
在宅勤務や、ステイホームの影響により、これまでは会社に行っていたお昼の時間帯に、今まで気がつかなかった、子どもが走り回る足音や騒ぐ声が響いていることに気付くことでしょう。
また、在宅中は近隣への迷惑を考え、静かに過ごされる方が多く、普段は気にならなかった上下階やお隣の音、子供のはしゃぐ音に気づくこともあります。
近隣の生活音が聞こえるということは、自分たちが出している音も聞こえるということです。生活音でお互いに気兼ねせずに過ごせるように、物件選びのポイントと、防音対策を知っておきましょう。
2-1.防音性の高い物件の選び方
せっかく選ぶなら防音性能が高い賃貸マンションやアパートを選びたいですよね。
どうやって、防音性能が高いかを判断したら良いのでしょうか?
建物の防音性能はL値という等級で表されます。
防音性の高い建物はL値の数値が小さければ防音性能に優れています。
先程、1-1.賃貸の防音性能でご紹介した建物の構造別にL値で表した図を参考に、不動産会社に物件のL値を確認し、L値の等級が小さい物件を選ぶことです。
2-2.その間取り大丈夫?
次に防音で大事なのが間取りです。
賃貸マンションでは部屋同士が密接に隣接している為、間取りによっては生活音が驚くほど響いているケースがあります。
例えば、ご自身の部屋のリビングとお隣の寝室が隣り合っている場合、お隣の就寝時間にリビングでテレビを見ていると、テレビの音声がお隣へ伝わってしまい騒音苦情につながることもあります。
お隣との間に収納を設けるなど工夫ができる間取りであれば問題ないですが、できない場合は防音性に不安が残る為、別の間取りを検討されるのが良いでしょう。
2-3.近隣住民を知る
賃貸マンションやアパートでは様々な方が入居されています。一戸建てよりも家同士が密接しているため、生活していく上でお互いに配慮が必要となってきます。
お子様がいるのか、いないのかによっても生活音も変わってくるため、あらかじめ入居される際に近隣への挨拶は済ませておきましょう。
お互いにどういう家族が住んでいるのかが分かれば、生活音も気をつけやすくなります。
3.子供が部屋で走ったりジャンプしても大丈夫?
賃貸マンションの防音性能でもお伝えしたように、鉄筋コンクリート造でも子供の泣き声や、足音などが聞こえることがわかりました。
マンションの構造によっては大きく響くこともあり、防音対策をせず、子供たちが部屋でジャンプしたり、はしゃいでしまうと騒音苦情に繋がってしまい大きなトラブルへ発展するケースもあります。
4.子供だけじゃなかった!生活騒音
生活音でクレームになりやすい子供の足音やはしゃぐ音だけではなく、生活する上で必要な生活家電なども騒音の対象になっていることをご存知ですか。
その他にも在宅ワークでオンライン会議などを行った際の声なども騒音になっています。
騒音シーン別に対策をご紹介します。
4-1.声の騒音と対策
騒音になっている生活音は「声」です。最近では在宅ワークも普及し、自宅でオンラインでの会議を長時間行う方もいらっしゃいますよね。声は窓の隙間や、壁が薄いと響いてしまいます。
賃貸マンションや、アパートなどでは退去時の現状復帰が必要です。
賃貸マンションやアパートのお部屋を傷つけない「声」の防音対策をご紹介します。
声は空気を震わせて発生する空気伝播音と呼ばれる音です。この音への対策で有効なのは遮音シートや吸音シートなどを壁に使用した防音対策です。
遮音シートは音を遮断して、外へ音が透過しないようにします。吸音シートは、音を吸収することで音の反射を防ぎ外へ透過しないようにすることができます。
これらの対策をすることで、音が響きにくくなります。
4-2.足音の騒音と対策
足音の騒音は対策が難しい固体伝播音という音です。
足音は、足が床に接地する際に床を振動させることで音が発生します。
この振動というのは、床などからいろんなところへ伝播し、音が増幅されることにより、騒音として伝わってしまいます。
振動の発生を抑えることで、防音対策を行うことが可能です。
では、振動を抑えるための防音対策とはどのようなものでしょうか。
まず1つ目は、防振マットを使った防音対策です。
防振マットは、振動を抑えることに特化したマットです。
通常防振マット単体での使用ではなく、カーペットや床材の下に施工し、使用します。
2つ目は防音マットです。防音マットは、振動音と声などの空気伝播音も同時に軽減してくれる便利アイテムです。
防振マットとは違い、フローリングなどの上に敷いてそのまま使用可能です。
遮音等級を目安に防音性能の高い商品を選ぶようにしましょう。
4-3.家電の振動音と対策
家電の騒音は、振動音によるものです。
特に洗濯機はかなり振動音が大きく、賃貸マンションなどの隣接している場所だとご近所の方々にも大きく音が響いている可能性があります。
洗濯機を使用する際は生活時間にも配慮し、使用する時間に気をつけましょう。
また、家電に貼り付けるタイプの防振マットなどもあるので、使用してみてはいかがでしょうか。
4-4. 楽器や、オーディオの音
楽器や、オーディオは使用する時間帯に配慮しましょう。
深夜や早朝を避け、昼間でもヘッドフォンをするなど工夫が必要です。
防音マットや遮音カーテンなどを使用することによって室内の音を外へ漏れにくくします。
その他の対策として、簡易防音室などを導入することで楽器の音を軽減することが可能です。
5.対策が難しい床の防音には“MUTE 防音専科”
MUTE 防音専科では足音など対策が難しい床の騒音に特化した防音タイルカーペットをご用意しております。
MUTE 防音専科なら、遮音等級LL35を達成しており、防音マットやコルクマットなどで効果を感じられなかった方にもご満足いただける防音タイルカーペットです。
床を傷つけることなく設置することが可能なタイルカーペット状なので、賃貸住宅でも安心して設置することが可能です。
6.まとめ
いかがでしたか。賃貸住宅でできる防音対策をご紹介しました。近隣との距離が近い賃貸住宅では、日頃から防音対策をすることでトラブルなども回避できます。まずは床の防音から始めてみませんか?
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